コラム

福岡で失敗した空き家再生を用いた町づくりの話

遊休不動産の活用に関する記事です。
この記事では空家のことだけではなく、空き店舗、空きビル、廃工場、空き倉庫、空き地のことなども扱っています。

増え続ける遊休不動産〜問題なのは「空き家」だけではない〜

記事の最後の部分が好きです。
この記事を読んでいて、私は福岡のある地域で行われた町おこしが失敗した話を思い出しました。

空家の活用に目が行く昨今、
住宅の話になると、どうしてもリノベーションに話がうつり
「どうにかして地域のコミュニティースペースをつくろう」と
スローガンを掲げる人が目立ちます。

しかし、空家の活用とは町づくりの一つの要素でしかありません。
土砂災害が発生しそうな地域の家をいつまでも活用して長持ちさせては、
それこそ大惨事につながります。

記事にも書かれているとおり、
空家の活用だけに目を向けるのではなく、
家を解体して森にするなどの
家を自然に還すことに目を向けてもいいのかもしれません。

私は福岡のとある地域がシャッター街の活用で町おこしをしようとして失敗したことを知っています。
その町は過疎化した地域で、シャッター街や空家を活用して若者が集まれる場所や
アーティストが活躍できる場所をつくろうとしたようです。
行政や企業は乗り気で、彼らは確実に事業は成功するだろうと思っていたようですが、
地域のお年寄りは懐疑的でした。
それは長年その町に住んでいたお年寄りからしたらその町が若者にとって魅力がないと知っていたからです。
今でもその町には若者が集っていません。
カフェや本屋など一見おしゃれな店ができますが、すぐに潰れます。
福岡ではほぼ失敗しないだろうはずのラーメン屋ですら続かなかったのです。

「お年寄りが多いのだから、お年寄りが住みやすい町にすればいいのに」
が地元の人からの声です。
もしかしたらそういう町では、使わない家を解体し、新しい建物を作ってもいいのかもしれません。
または祭りが盛んな地域なので空き地にして有効活用するという手もあるでしょう。
いずれにせよ、昨今のブームのせいで住宅の再活用だけに目がいきがちですが、
建物を活用するためには町の事情や周辺環境をよく知り、
環境に合わせた家をつくらなければならないのです。
誰のために空家を活用するのか?
ブームだからこそ、もう一度原点に立ち返りましょう。